
フルリモートで年収は下がる?給与の実態と、下げずに転職するコツ
在宅勤務にすると給料が下がるのでは、と不安になる人は少なくありません。実際は一律に下がるわけではなく、下がる場合には別の理由が隠れています。年収が下がりやすいケースと下がりにくいケースを切り分け、年収を守ってフルリモート転職するコツを整理しました。
リモートの実態・見分け方

満員電車をもう降りたい。通勤に使っている往復2時間を、自分や家族のために取り戻したい。そう思ってリモートワークへの転職を考え始めたものの、いざ動こうとすると手が止まる人は多いはずです。転職サイトを開いても求人が多すぎて何から見ればいいかわからない。「リモート可」と書かれた求人に応募していいのか自信が持てない。そもそも今の自分がリモートで通用するのかも不安。進め方の地図がないまま、検索窓とにらめっこして時間だけが過ぎていきます。
先に結論をお伝えします。リモートへの転職は、基本的には普通の転職と同じ手順で進めます。自己分析をして、軸を決めて、求人を探し、応募し、面接を受けて、内定をもらう。この流れ自体は変わりません。ただし一点だけ、普通の転職にはない「リモート可の実態を見極める」という工程が必ず加わります。求人票に書かれた働き方と、入社後に実際に求められる出社頻度がズレていることが珍しくないからです。この一手間を進め方に組み込めているかどうかが、リモート転職の成否を分けます。この記事では、準備から内定までを順番に追っていきます。
年収や職種、勤務地といった条件は、求人票に書かれた数字がそのまま事実です。年収500万と書いてあれば、多少の幅はあれど500万前後で話が進みます。ところが「働き方」だけは事情が違います。「リモート可」「フルリモート」という表記は、企業ごとに定義がバラバラで、そのまま鵜呑みにできないからです。
ある企業の「フルリモート」は文字どおり通勤ゼロを指し、別の企業の「フルリモート」は原則在宅だが月に数回は出社を含む、という具合に中身が異なります。さらに「リモート可」に至っては、週3日出社が前提なのに制度としてリモートが選べる、という程度の意味で使われていることもあります。悪意があるというより、社内での言葉の定義がゆるいだけのことも多いのですが、応募する側からすればこのズレこそが最大の落とし穴です。
だからリモート転職では、条件の確認作業に「実態の検証」が一段深く入り込みます。年収や職種を確かめるのと同じ熱量で、いや、それ以上の注意深さで、出社頻度の実態を求人票と面接から読み取っていく。この検証工程を省いた転職活動は、入社してから「話が違う」となるリスクを常に抱えていると考えてください。以下では、その検証をどのタイミングで、どう挟み込むかを含めて進め方を示します。
まず全体像を押さえましょう。準備から条件確認までを6つのステップに分けると、次のようになります。太字の第4ステップ「見極め」が、普通の転職には存在しないリモート転職固有の工程です。
ステップ | やること |
|---|---|
1. 自己分析 | 転職理由とリモートで叶えたいことを言語化し、自分がリモート向きかを確かめる |
2. 軸決め | 出社頻度の許容ライン、年収、職種の優先順位を決める |
3. 探す | 大手サイト、リモート特化媒体、エージェントなどで母数を確保する |
4. 見極め | 「リモート可」の実態を求人票の但し書きまで読み込んで検証する |
5. 応募・面接 | 出社頻度を数字で、例外と将来方針まで面接で確認する |
6. 条件確認 | 内定後、労働条件通知書で働き方の記載を最終チェックする |
このうちステップ1と2が準備、3と4が探して見極める段階、5と6が仕上げにあたります。順番に見ていきます。
最初にやるのは求人探しではなく、自分の棚卸しです。ここを飛ばして検索から入ると、条件のゆるい求人まで目に入って消耗し、時間だけが溶けていきます。
まず転職理由を言語化します。なぜリモートに移りたいのか。通勤時間をなくしたいのか、住む場所の自由がほしいのか、集中できる環境で成果を上げたいのか。理由がはっきりしていると、後の軸決めと面接での志望動機がぶれなくなります。次にスキルの棚卸しです。これまでの職務で何を成果として出してきたか、数字や具体的なエピソードで書き出します。リモートの選考では、オフィスで隣に座って教える前提が薄いぶん、自走して成果を出せる人材かがより厳しく見られます。自分の実績を語れる状態にしておくことが、そのまま通過率に効いてきます。
同時に、そもそも自分がリモート向きなのかも一度立ち止まって考えたいところです。リモートワークは通勤の苦から解放される一方で、雑談の少なさや自己管理の負荷など、人によって合う合わないがはっきり出ます。ここで無理をして転職しても、入社後に別の悩みを抱えかねません。自分の性格や働き方の好みと照らし合わせたい人は、フルリモートに向いている人・向いていない人を先に読んでおくと、判断の物差しが持てます。
棚卸しができたら軸を決めます。決めるべきは主に3つ。出社頻度の許容ライン(通勤ゼロが絶対か、月1・週1までなら妥協できるか)、年収の下限、譲れない職種です。リモートを最優先にするほど母数は絞られるので、すべてを満たす一本を待つのか、優先順位をつけて現実的に動くのかをここで腹決めしておきます。この覚悟の有無が、探す期間の長さと消耗度を大きく変えます。
軸が固まったら、いよいよ探します。ただしリモート転職では「探す」と「見極める」は地続きの作業です。母数を確保する探し方と、拾った求人を検証するチェックまでは一続きで考えてください。
探す場所ごとの特徴や、大手サイトの絞り込みだけでは通勤ゼロ求人にたどり着きにくい理由は、フルリモート求人の探し方と見極め方で詳しく整理しています。ここで押さえておきたいのは、「リモート可」で絞り込んでヒットした求人を、そのまま応募候補にしてはいけないということです。前述のとおり表記と実態はズレるので、拾った求人を一件ずつ自分のフィルターにかけ直す作業が要ります。
その検証にどれだけ意味があるかは、実際に検証してみた数字が物語ります。NoTrainでは掲載する求人の募集要項に人の目で当たり、出社頻度が原文でどう書かれているかを一件ずつ確認しています。NoTrainが原文で検証して掲載しているビジネス職のリモート求人(約76件時点、NoTrain掲載基準での集計)では、通勤ゼロが約9割を占めます。裏を返せば、市場に出回る「リモート可」求人のなかで、原文まで確かめて通勤ゼロと言い切れるものはそう多くない、ということでもあります。だからこそ探す段階での見極めが効きます。
リモートを条件に入れると年収が下がるのでは、という不安もこの段階でよく出てきます。実態としては下がる場合もあれば維持できる場合もあり、職種や企業の方針によります。この点が気になる人はフルリモートで年収は下がる?を確認して、年収を軸のどこに置くかを決めておくといいでしょう。
拾った求人を応募候補に上げる前に、求人票を次の観点で読み込みます。ひとつでも曖昧なら、面接で必ず確認する項目としてマークしておきます。
チェック項目 | 見るポイント |
|---|---|
出社頻度の明記 | 「フルリモート」の一語で済まさず、週や月に何回出社するか数字で書いてあるか |
リモートの対象範囲 | 全社員が在宅か、一部の職種・部署だけの制度か。応募する職種が対象か |
試用期間中の扱い | 入社直後や試用期間は出社、という条件が別に書かれていないか |
リモート手当・環境整備 | 通信費補助や機材支給の記載があるか。制度として根づいているかの目安 |
制度の継続期間 | いつから続く働き方か。一時的な措置ではなく定着しているか |
特に見落としやすいのが、試用期間中の扱いとリモートの対象範囲です。全体としては在宅中心でも、あなたが就く職種だけは出社を求められる設計になっていることがあります。実態は求人票の目立つ場所ではなく、募集要項の細かい但し書きに隠れているので、下までていねいに読み切ってください。
書類が通ったら面接です。求人票で曖昧だった点を、ここで具体化します。遠慮して聞かずに入社すると、後から「思っていたのと違う」となりがちなので、聞き方を準備しておきましょう。
確認したいのは主に3点です。ひとつ目は出社頻度を数字で。「リモート中心とのことですが、実際に平均すると週や月でどのくらい出社されている方が多いですか」と、制度の建前ではなく運用の実態で尋ねます。ふたつ目は例外の場面。「どういうときに出社をお願いすることがありますか」と聞けば、キックオフや対面商談、四半期の全体会など隠れた出社機会が見えます。みっつ目が最も重要で、将来の出社回帰の方針です。「今後、出社の比率を上げていくご予定はありますか」と踏み込んでおくと、入社後に方針が変わって通勤が復活する事態をある程度避けられます。これらは失礼な質問ではなく、長く働くためのすり合わせです。働き方への理解が深い企業ほど、具体的に答えてくれます。
内定が出たら、口頭の説明で安心せず、労働条件通知書や雇用契約書に働き方がどう書かれているかを必ず確認します。面接で「フルリモートで大丈夫です」と言われても、書面に勤務地としてオフィスの住所だけが記され、リモートの取り扱いが何も明記されていないことがあります。書面に残っていなければ、後で方針が変わったときに拠り所がありません。リモートの可否や出社頻度について書面での確認をお願いすることは、正当な求職者の権利です。
ここまで進めてもなお「本当にリモートに転職して大丈夫だろうか」という迷いが残ることもあるでしょう。ネット上で見かける「フルリモートはやめとけ」という声が気になっている人は、「フルリモートはやめとけ」は本当?で、その指摘のどこが当たっていてどこが誇張なのかを冷静に見極めておくと、納得して最後の一歩を踏み出せます。
リモートワークへの転職の進め方は、普通の転職の手順に「実態の見極め」という一工程を足したものです。自己分析で自分がリモート向きかを確かめ、出社頻度の許容ラインを含めた軸を決め、母数を確保しつつ求人票を但し書きまで検証し、面接で数字と例外と将来方針を聞き、内定後は書面で働き方を確かめる。この順番を守るだけで、入社後の「話が違う」は目に見えて減ります。
ただ、この検証の一件一件を求職者が一人でやり切るのは、正直に言って骨が折れます。求人票の但し書きを読み込み、出社頻度のズレを疑い、面接で聞き出す。その検証の手間を、掲載前に肩代わりするのがNoTrainです。NoTrainは載せる求人の募集要項に人の目で当たり、出社頻度が原文でどう書かれているかを確かめてから掲載しています。「リモート可」の一言を鵜呑みにせず、週何回の出社なのか、対象は誰なのかまで見る。だから進め方のなかで最も手間のかかる見極めの工程を、あなたの代わりに前倒しで済ませておけます。
オフィスにいなくても成果を出せるビジネス職の人が、通勤ゼロの働き方を、地雷を踏まずに見つけられること。それがNoTrainのやりたいことです。進め方の地図は手に入ったはずなので、あとは実際の求人を、出社頻度という軸で眺めてみてください。

在宅勤務にすると給料が下がるのでは、と不安になる人は少なくありません。実際は一律に下がるわけではなく、下がる場合には別の理由が隠れています。年収が下がりやすいケースと下がりにくいケースを切り分け、年収を守ってフルリモート転職するコツを整理しました。

フルリモートの求人は業務委託や契約社員ばかりで、正社員はほとんどないのでは。そんな不安に、自社の検証データと具体的な見極め手順で答えます。正社員の完全在宅はちゃんと存在します。ただし求人票の読み方には少しコツが要ります。

「自分はリモートに向いているのだろうか」と不安になる気持ちに寄り添いながら、向いている人・向いていない人の傾向を自己診断できる形で整理しました。向いていない傾向でも、工夫と会社選びで十分に補えます。
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